臨床研修セミナー Sexual Medicine
妊娠中の性
伊藤 博之
1
Hiroyuki Ito
1
1聖路加国際病院産婦人科
pp.989-992
発行日 1989年10月10日
Published Date 1989/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208093
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妊娠中の性の問題についての客観的評価は非常に難しい。その理由として,妊娠中に性交を継続するのは人間だけであるため動物実験ができないこと,古くから性がタブー視されていたこと,妊婦の性欲は身体的なものより,多分に心理的要因が強いことなどが考えられる。しかし,妊娠中の性生活は若いカップルにとっては食生活にも匹敵する重大関心事で,決して避けて通れぬ問題である。それにもかかわらず,実際の指導現場や成書では,ほとんど通り一遍の指導や記述に終始し,できれば触れずに済ませたいの感が強い。
最近になり,わが国でもようやくこの問題に関心が持たれ始め,その実態調査なども散見されるが,まだまだ十分とはいえない現状である。
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