原著
最近8年間における癌研式頸管切除器の使用経験
大森 正弘
1
,
上野 浩久
1
,
高橋 義弘
1
,
飯田 和質
1
Masahiro Omori
1
1福井県立成人病センター婦人科
pp.905-908
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208077
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子宮癌の早期発見と前癌状態のfollow upを仕事としている福井県立成人病センター婦人科は,細胞診とコルポスコピーが主体であり必要以外のpunch-biopsyは極力控えている。しかしながら,
1)細胞診やコルポスコピーの所見がpunch-biopsyの組織診と一致しない時
2)頸管内の癌存否の確認
3)反復検査で鑑別が困難な場合
4)他病院からの精密検査依頼があった時
等の解決策として,癌研式(増淵式)円錐切除術を施行することがある。このたび,昭和56年以来,当科で行っているこの術式の施行例74例の成績をまとめた。
punch-biopsyと最終診断との関係では
1)頸管炎から異型上皮2例,0期5例
2)異型上皮から異型上皮8例,0期10例
3)0期から0期25例,Ia期1例,Ib期1例
4) Ia期からla期2例,Ib期2例
と同等以上の進行所見が得られた。その他,患者の統計的観察の背景と共に報告する。
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