臨床メモ
頸管円錐切除術後の妊娠・分娩
貝原 学
1
1東大分院産婦人科
pp.570
発行日 1982年7月10日
Published Date 1982/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206658
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子宮頸管の円錐切除術は,cervical intraepithelial neoplasia (高度異型上皮や上皮内癌など)を診断・治療するために行なわれる手術法であるが,最近,妊娠を希望する比較的若い患者に対して本手術を行なう頻度が増加してきた。したがって,本手術が術後の妊孕性や妊娠・分娩経過に及ぼす影響を検討することが極めて重要である。
一般に,頸管円錐切除術を行なうと,術後の妊娠時に自然流産や早産の発生率が増加し,帝王切開による分娩の頻度も増加するといわれているが,はたしてそうであろうか。円錐切除術は,比較的年齢が高い婦人や,社会的に低階級層の婦人に対して行なわれることが多い1)ので,これらの因子が妊娠・分娩に及ぼす影響についても十分な考慮を払う必要がある。円錐切除術そのものが及ぼす影響について知るためには,多数の症例についてのcontrolled studyによる分析が必要である。
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