臨床研修セミナー 未熟児プライマリケア
分娩方式の選択
坂田 寿衞
1
,
高木 健次郎
1
,
高木 繁夫
1
Hisae Sakata
1
1日本大学医学部産婦人科
pp.871-875
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208070
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未熟児分娩方式の決定に関しては,従来より多くの検討がなされてきてはいるが,出生後の新生児管理が進歩し,それが広く一般に普及した現在でも,取り扱い施設により未熟児のmorbidity,mortality rateは異なり,それぞれの施設における成績を考慮したうえでの判断が必要とされる。また一般に未熟児と言っても妊娠24週以降から妊娠37週未満までの胎児がこれに含まれ,当然それらを一様に取り扱うことはできない。未熟胎児のもつ特性,生命予後についてはもちろん,社会的,経済的問題等についても我々臨床に携わる者としては考慮する必要もあると考えられる。そのため,たとえ医学的には同じ条件下にある胎児でも,それぞれがもつ妊娠の背景によっては異なる分娩方式の選択をせまられる場合も日常しばしば経験されることである。このような問題を踏まえたうえで以下に未熟児の分娩方式の選択について解説する。
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