生涯研修セミナー 糖尿病合併妊娠
分娩のタイミングと分娩方法の選択
福島 春海
1
,
海老原 肇
1
,
大塚 博光
1
,
林 和彦
1
,
佐賀 正彦
1
,
浜田 宏
1
Harumi Fukushima
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科学教室
pp.947-950
発行日 1988年10月10日
Published Date 1988/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207883
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最近わが国においても糖尿病合併妊婦および糖代謝異常を示す妊婦の増加傾向がみられ,これらの妊婦で多様かつ高度に母児合併症が発症することから,その診断と管理は産科臨床上きわめて重要な問題となってきている。万一糖尿病のコントロールが不良のまま妊娠すると最悪の場合は子宮内胎児死亡に陥るが,幸い妊娠が継続した場合でも胎児は表1に示した合併症が多発し周産期死亡も高率となる。しかしその多くが妊娠前あるいは妊娠中の母体血糖管理により防止できることを示す報告も多い。すなわち近年糖尿病合併妊婦に対し,内科的治療の発達改善,胎児の妊娠中および母児の分娩中の管理の向上,NICUの発達により母体の予後の改善および周産期死亡率の著明な低下が認められている。
胎児死亡をはじめ母児の急変は分娩予定日が近づくほど増加することから,臨床成績の向上のためには,分娩のタイミングおよび分娩方法の選択も重要なポイントの一つである。
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