連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
子宮筋腫に惑わされた腟子宮内膜症の1症例
山本 和重
1
,
山田 鉄也
2
1岐阜市民病院産婦人科
2岐阜市民病院病理診断部
pp.1066-1070
発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103519
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症例
患者 33歳,未婚未経妊.
主訴 月経痛,子宮筋腫手術希望.
既往歴 特記事項なし.
現病歴 2年半前に月経痛で前医を受診し,39×34 mm大の子宮筋腫を指摘された.CA 125 22 U/mL(正常範囲内),貧血なしとのことで経過観察となった.1年半前に,前医での再診で子宮筋腫56×58 mm大と増大,子宮頸部細胞診NILMのため,精査治療目的で当科へ紹介受診となった.初再診(医師A担当)では腟鏡診上の異常はなかった.経腟超音波で子宮後壁筋層内筋腫60×59×55(58)mm大を認めたが,患者と相談した結果,手術よりも前医での経過観察を希望された.今回,前医での再診で子宮筋腫69×85 mm大と増大,Hb 11.6 g/dL,子宮頸部細胞診NILM,子宮内膜細胞診(陰性)のため,手術希望にて当科へ2回目の紹介受診となった.
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