特集 Fetal behavior
胎児発達と心拍数制御
福原 正生
1
,
小柳 孝司
1
,
中野 仁雄
1
Masao Fukuhara
1
1九州大学医学部婦人科学産科学教室
pp.25-28
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207924
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1958年,Honら1)によって分娩時におけるFetal heart rate (FHR) monitoringの重要性が指摘されて以来,胎児心拍数パターンの解析は,世界の研究者の耳目を集めることになった。その結果,late decelerationと称される一群の心拍数変動が胎児低酸素症に関連する表現であることが判明し,このことを基礎に,その後,fetal distress (胎児仮死)の概念が確立された。
一方,1960年代後半,Hammacher2)の報告に端を発した心拍数細変動の研究は,それを周波数成分から,あるいは振幅成分から定量的に解析する幾多の指標を生み出した3〜6)。しかしながら,その後,久保ら7)によって,これら諸種の指標は形こそ違え,数理的にはほぼ同義であることが判明した。
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