特集 母子感染症の必修知識-エキスパートに学び予防につなげる
総論 妊婦の免疫学的特徴
森田 恵子
1
,
津田 さやか
,
齋藤 滋
1富山大学 医学薬学研究部産科婦人科学教室
キーワード:
自己免疫疾患
,
妊娠合併症-感染性
,
免疫寛容
,
自然免疫
,
母児免疫
,
病勢悪化
,
調節T細胞
,
獲得免疫
,
Th1-Th2バランス
Keyword:
Autoimmune Diseases
,
Immunity, Maternally-Acquired
,
Immunity, Innate
,
Pregnancy Complications, Infectious
,
Disease Progression
,
Immune Tolerance
,
Th1-Th2 Balance
,
Adaptive Immunity
,
T-Lymphocytes, Regulatory
pp.8-13
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020120980
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
<Key Points>(1)妊娠母体は異物である胎児への免疫寛容と、細菌やウイルスなどの病原体への免疫応答の両方の性質を有し、これらの巧妙なバランスにより妊娠を維持している。(2)一部のウイルス性疾患は妊娠中に悪化しやすく、自己免疫性疾患は妊娠中に軽快・増悪するものがある。(3)母体の全身性・局所の感染症が流産・早産の原因となり、また児への胎内感染・垂直感染により児の予後に影響を及ぼしうる。(4)妊娠母体へのワクチン接種が出生後の児の感染率を低下させる疾患もある。(5)妊娠中には母体の感染症や免疫状態を総合的に評価し、管理することが望まれる。
Copyright© 2020 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.