生涯研修セミナー 無排卵症
Overview
診療の進歩
水口 弘司
1
,
池田 万里郎
1
Hiroshi Minaguchi
1
,
Mario Ikeda
1
1横浜市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.1009-1013
発行日 1988年11月10日
Published Date 1988/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207893
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無排卵症とは性成熟期の女子にみられる周期的な排卵のみられないものをいい,視床下部,下垂体,卵巣系のいずれかの障害に起因する排卵障害である。一方,無月経とは月経のない状態であり,生理的無月経と病的無月経がある。生理的無月経は初潮以前,閉経以後,ならびに妊娠,産褥,授乳期にみられる。性成熟期における月経の異常な停止を病的無月経というが,排卵障害以外にも子宮,腟,外陰の異常で起こる。また,これを原発性無月経と続発性無月経に分けるが,原発性無月経は満18歳になっても初潮が起こらない場合であり,続発性無月経はこれまでにあった月経が3カ月以上停止したものをいう。
無排卵症は症候論的には月経異常を示すが,その治療にあたって重要なことはその病態を的確に把握し,病態に適した治療を行うことである。主な治療法の変遷,最近のトピックスなどについて概説する。
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