特集 産科麻酔
症例
帝王切開術後に発生した悪性高熱症の1例
小林 仁
1
,
村田 哲郎
1
,
荻野 満春
1
,
小池 貞徳
1
,
冲永 荘一
1
,
貝原 学
1
,
森田 茂穂
2
,
福家 伸夫
2
,
松橋 一雄
3
Hitoshi Kobayashi
1
,
Shigeho Morita
2
,
Nobuo Fuke
2
,
Kazuo Matsuhashi
3
1帝京大学医学部附属市原病院産婦人科
2帝京大学医学部附属市原病院麻酔科
3松橋レディズクリニック
pp.149-152
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207735
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
悪性高熱症malignant hyperthermiaは麻酔薬や手術などのストレスによって惹起され,高熱や筋強直などをきたすまれな疾患である。骨格筋および心筋のカルシウム代謝に異常がもたらされるために発生するといわれている。本症の死亡率は高く,近年,早期発見,早期治療が行われるようになって10%以下に低下したものの1),的確な治療法が確立されていないのが現状である。今回われわれは,帝王切開時の腰椎麻酔によって発生したと思われる悪性高熱症の1例を経験したので若干の考察を加えて報告する。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.