境界領域の再評価とその展開 特集
産婦人科と泌尿器
頸癌術後の膀胱機能障害とその対策
杉森 甫
1
,
眞崎 善二郎
2
,
小嶺 信一郎
2
Hajime Sugimori
1
,
Zenjiro Masaki
2
,
Shinichiro Komine
2
1佐賀医科大学産婦人科学教室
2佐賀医科大学泌尿器科学教室
pp.597-599
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207652
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癌治療の進歩により,多くの癌患者が治癒するようになると,今度はその後の生活の質quality of lifeが問題とされるようになった。頸癌に対する広汎子宮全摘術の成績については今さらいうまでもないが,少なからぬ後遺症,とくに尿路系後遺症を残すことも事実である。このことから,初期癌に対しては縮小術式が応用されるようになってきたが,それでもなお,広汎全摘術を必要とする症例は必ずあるわけであるから,この合併症に対する対策は十分に検討しておかねばならない。尿路系の合併症として従来挙げられてきたものに尿管瘻と膀胱機能障害があるが,前者は最近急速に減少しているように思われる。本稿では後者について,その原因と対策について検討を試みる。
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