境界領域の再評価とその展開 特集
婦人と代謝
蛋白質代謝
福井 靖典
1
,
本田 利江
1
Yasunori Fukui
1
,
Toshie Honda
1
1日本大学駿河台病院産婦人科
pp.379-385
発行日 1987年6月10日
Published Date 1987/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207600
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蛋白質ならびにその構成成分であるアミノ酸は,生体構成成分のうち最も基本的な物質であると同時に,酵素やホルモンの合成素材となって生命維持機構の中枢的役割をになっている。発育途上の生物個体では細胞増殖のために多量の蛋白質を合成する必要があり,また,個々の細胞では破壊と新生を繰り返し,細胞内部では絶えず蛋白質の分解と合成とが行われている。つまり,生体内の蛋白質は,その合成と分解とのバランスの上に存在する。
蛋白質はヒトではその15%を占め,特に,筋肉中では約20%が蛋白質であるといわれている。しかし,これら蛋白質がすべて一様に代謝回転(turn over)をしているわけではなく,その変動は臓器によっても異なるし,食餌中の蛋白質の含量によっても異なる。また,蛋白質は通常約20種のアミノ酸により構成され,ペプチド結合によって高分子を形成しているが,蛋白質同様アミノ酸の代謝も食餌成分のほかさらにホルモンによっても影響される。
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