臨床メモ
少量のアスピリンの連日的投与が妊娠中毒症の発生を防止する
貝原 学
1
1帝京大学市原病院産婦人科
pp.253
発行日 1987年4月10日
Published Date 1987/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207571
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アスピリンはトロンボキサンA2の合成を阻害し血小板の凝集を抑制する作用を有するので,血栓症の予防に役立つ。実際に人工心臓弁置換術や冠動脈のバイパス形成術後の血栓の予防や,心筋梗塞ならびに動静脈血栓症の再発予防などに用いられて好成績が得られている1〜3)。妊娠中毒症も,胎盤や母体諸臓器の血栓形成を特徴とする疾患であるため,アスピリンの投与が妊娠中毒症の発生を予防する上に役立つ可能性がある。
最近,妊娠中毒症の発生が予測される妊婦に対して少量のアスピリンを連日投与したところ,中毒症の発生防止に有効であったという2つの報告が発表されている。
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