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胎盤機能不全による胎児発育遅延例に少量のアスピリン療法を/妊婦に投与したrelaxinの子宮頸管熟化作用
広井 正彦
1
,
田部井 徹
2
1山形大学医学部産科婦人科
2赤心堂病院
pp.1089,1141
発行日 1988年12月10日
Published Date 1988/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207906
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近年,種々のME器械が開発され胎児の発育状況を時々刻々にとらえることが出来るようになった。胎児の臍帯動脈の血流速度を測定し,胎児の発育を知ろうと試みる方法もその一つである。この血流波型は胎盤における血管壁床の抵抗や胎盤機能の低下とも関連し,動物実験ではthromboxane類似物質の注入により異常波型が出現することから,thromboxaneが血管壁の収縮や血小板の凝集を促進するために惹起するものと推察される。一方,少量のaspirinは母体に投与することにより母児の循環系に作用し,cyclooxy-genase酵素によりarachidon酸がらthromboxaneの形成を抑制することが知られている1)。そこでTru-dingerら2)は臍帯動脈血流波型から異常と判定された胎盤機能不全患者にaspirinを投与し,その効果を検討した。
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