今月の主題 前立腺と睾丸
話題
睾丸と加齢
谷澤 徹
1
Tohru TANIZAWA
1
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科・形態検査学
キーワード:
睾丸
,
小動脈硝子化症
,
精細管
,
巣状萎縮
Keyword:
睾丸
,
小動脈硝子化症
,
精細管
,
巣状萎縮
pp.701-702
発行日 1994年6月15日
Published Date 1994/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902009
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1.はじめに
加齢とともに身体の諸臓器,器官は老化,萎縮する.萎縮の度合いと進み具合は,その臓器の必要度に応じて決まり,胸腺のように思春期に退縮が始まり成人ではほとんど脂肪組織のみに置換されてしまう臓器もある.生殖器も比較的早期にその使命が果たされる器官であり,女性生殖器においては閉経を境に急速に萎縮しその機能が失われる.
男性生殖器においてはこのような急速な萎縮は起こらないものの,血清テストステロン値の年齢推移からみると30歳前後をピークに徐々に,その機能は低下していることが推測される(図1)1).睾丸の容積の年齢推移では,睾丸機能が最盛期を迎える20~25歳で約14mlに達したのち50歳前後から減少し,年齢と弱い逆相関を示す2).
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