ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 更年期障害
エストロジェン欠乏と骨代謝
大西 利夫
1
,
森本 茂人
1
Toshio Onishi
1
,
Shigeto Morimoto
1
1大阪大学医学部第4内科
pp.173-176
発行日 1985年3月10日
Published Date 1985/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207139
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
更年期以降に顕著となる問題の一つに閉経後骨粗鬆症が挙げられる。骨粗鬆症は骨組織中の骨量の減少した状態を指すが,脊椎に圧迫骨折がおこると腰背痛,円背などの症状が出現し,また大腿骨骨折がおこると安静臥床を強いられることになる。わが国では老人の数が今後ますます増加することが予想されており,骨粗鬆症の予防法,治療法を明らかにすることは急務と思われる。
閉経後骨粗鬆症の成因については現在なお明らかではないが,更年期以降の女性に本症の頻度が高いところから,エストロジェン欠乏が本症の成因の一つとして関与している可能性が考えられている。以下にエストロジェンと骨粗鬆との関係につき考察する。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.