今月の臨床 着床
疫学・統計
2.体外受精における異所性着床
村田 昌功
1
,
児玉 英也
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部産婦人科
pp.14-17
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902795
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自然妊娠における子宮外妊娠発症の頻度および危険因子
子宮外妊娠の発症率は近年増加傾向にあると報告されており1),その頻度は対妊娠当たり1〜2%に達する.診断技術の進歩にともない妊産婦死亡に対する子宮外妊娠の比率はわが国では年々減少しており,1989年では0.4%となっている2).また,子宮外妊娠を経験した場合の予後として,次回の妊娠で引き続き子宮外妊娠となるリスクは7〜13倍に増加し,子宮外妊娠後の妊娠が子宮内妊娠となる割合は50〜80%,再び子宮外妊娠となる割合は10〜25%で残りの女性は不妊になると報告されている3,4).自然妊娠における子宮外妊娠発症の危険因子としては,骨盤腹膜炎および卵管妊娠の既往,IUDの使用,不妊症に対する卵管手術の既往などが一般的に考えられている.
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