先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
未熟児管理の進歩
未熟児栄養法の進歩
山田 多佳子
1
,
仁志田 博司
1
Takako Yamada
1
,
Hiroshi Nishida
1
1東京女子医科大学母子総合医療センター
pp.143-145
発行日 1986年2月10日
Published Date 1986/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207335
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大脳のニューロン生成は妊娠20週頃までに完了し,妊娠後半から新生児・乳児期早期はニューロンの軸索や樹状突起の発達,ミエリン形成,シナプス形成などニューロンの分化が急速に進む時期(growth spurt)である1)。この時期に高度かつ慢性的な栄養障害にさらされることにより,こねらニューロンの発達が抑制されることは,すでに多くの研究で証明されている。この妊娠後期に,胎盤を介しての母体からの栄養供給を断たれ,いわば自活を強いられた未熟児にとって,出生後の栄養は児の神経学的予後を決める重要な因子といえる。本稿では,未熟児の栄養についての最近の知見を中心に述べたいと思う。
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