特集 日常診療上の狙いと盲点・II
産科領域における最近の傾向と変遷
未熟児栄養
藤井 とし
1
Toshi Fujii
1
1東京都立築地産院小児科
pp.400-403
発行日 1973年5月10日
Published Date 1973/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204823
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低出生体重児の栄養問題は,栄養所要量,乳汁,授乳手技などについて数多くの研究が積み重ねられ進歩しつつあり,これについての最近の山内1),山下2),中島3),坂口4),Holt5),Crosse6),Davidson7)らの総説研究が発表されている。
低出生体重児栄養の研究は,より良き発育を得るために,栄養所要量,栄養素の質的改善が行なわれてきた。授乳開始時期については,早期に開始することは嘔吐の危険があり,直接の事故を予防するため饑餓時間は長かつた。最近は,饑餓時間が長いと後の脳の発達に影響を及ぼすことが発表され,早期に開始する傾向になつてきている。方法として経口投与のみでなく,点滴輸液が行なわれ,極小未熟児には,大半が輸液を行ないつつ経口に移行する方法が行なわれている。また低出生体重児のなかでdysmaturityには,より早く授乳開始をすることがすすめられている。
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