先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
未熟児管理の進歩
前期破水出生時の管理—新生児感染症の診断と治療
竹内 徹
1
,
北島 博之
1
Tooru Takcuchi
1
,
Hiroyuki Kitajima
1
1大阪府立母子保健総合医療センター周産期第2部(新生児科)
pp.109-112
発行日 1986年2月10日
Published Date 1986/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207327
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いわゆるPROM (premature rupture of membranes)の管理ば,次の2点から日常診療上重大な問題となってくる。すなわら子宮内感染症の疑いまたは明らかに確証のある場合,および胎児の未熟性あるいは在胎期間の短い場合である1)。胎盤病理からみると,正期産に近いものほど,羊膜が破れる前よりは破れた後から上行性感染が発生しやすい傾向があるが,早産の場合はそうではない。むしろ逆に感染かPROMの原因となり早産を誘発するものと考えられている2)。しかも最近のように新生児集中看護の進歩によって,viabilityの限界が妊娠中期の終わりの時期とくに24〜25週にまで拡大されてきたので,未熟性(immaturilty)と同時に,感染の有無が新生児死亡および罹病の内容に大きな影響を与えるようになってきた。たとえば,極小未熱児にみられる慢性肺疾患のうち,とくに子宮宮内感染症とWilson-Mikity症候群との関連性について新たな知見が増加しつつある3)。ここでは前期破水を起こした早産児の感染症の発見と治療について述べる。
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