明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 胎児--その自立と依存
Topics
胎児発育とポリアミン
江口 勝人
1
,
平松 祐司
1
,
米沢 優
1
,
関場 香
1
Katsuto Eguchi
1
1岡山大学医学部産婦人科学教室
pp.934-938
発行日 1984年12月10日
Published Date 1984/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207099
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ポリアミンは生物界に広く普遍的に分布する生物アミンで,厳密にはアミンを3つ以上有する直鎖アルキルアミンを意味する1)が,広義にはジアミンをも含めて用いることが多い。そして動物組織中に含まれる主なポリアミンは,putrescine,spermidine,spermine (以下put.,spd.,spm.と略す)の3つであり,図1に示すようにornithine,methionineを前駆物質として合成される。また動物組織では唾液腺,胸腺,骨髄,前立腺など蛋白,核酸合成の盛んな組織で含量が高く,核酸合成,細胞増殖と密接な関係をもつ2〜5)ことが知られており,脚光をあびている。
われわれはポリアミンのこの作用に注目し,これまで妊娠時および胎児発育に及ぼすボリアミンの働き6〜10,さらには腫瘍マーカーとしてのホリアミン11〜14について検討してきた。
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