トピックス
ポリアミン定量法と癌の診断
中根 清司
1
1名古屋大病院検査部
pp.165-166
発行日 1982年2月1日
Published Date 1982/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202442
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検査室内でジアミンとかポリアミンという言葉にはあまり接したことがないかと思う.しかし最近の医学雑誌にはこれらの論文が数多く報告されている.それは,1971年Russellらが癌患者の尿中ポリアミンを測定したところ尿中に異常に高い(正常の5〜10倍濃度)ポリアミンを検出したことから始まる.以後,ポリアミンは癌の診断方法として,また,制癌剤の効果の指標として注目されている.
ポリアミンは低分子量の非蛋白性窒素化合物で,3個以上のアミンを有するものと定義されており,スペルミジン〔Spdと略す,H2N(CH2)3NH(CH2)4NH2〕とスペルミン〔Spと略す,H2N(CH2)3NH(CH2)4NH(CH2)3NH2〕及びこれらの生合成の前駆体であるジアミンのプトレッシン〔Putと略す,H2N(CH2)4NH2〕と,さらにジアミンであるカタベリン〔Cadと略す,H2N(CH2)5NH2〕を代表的なポリアミンと称している.
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