産婦人科医療--明日への展開 診断基準--新しい局面
Ⅱ.産科篇
糖尿病—とくに妊娠糖尿病について
浜田 悌二
1
,
吉松 喜代隆
1
,
大島 敏幸
1
Teiji Hamada
1
1久留米大学医学部産婦人科学教室
pp.693-696
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206877
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最近の10数年間における糖尿病の原因,発生機序についての知見は,糖尿病がますます不均一な疾患であることを明らかにしつつある。すなわち,糖尿病はその遺伝負荷,発症機構に関与する因子など明らかになるにつれて全く病態の異なった群のあることが知られてきている。そのような理由から,糖尿病の病型分類,診断基準などの再検討を要する時期に至っていた。同時に,その検討のためには,国際的な世界各地の研究機関からの報告が相互に比較できる国際統一基準の必要性が指摘されていた。この要望に応えて,WHOのExpert Committeeによる勧告1)が示され,これを受けて,わが国においても日本糖尿病学会,糖尿病の診断に関する委員会が設置され,検討が行われた結果が,委員会報告2)として作成報告されている。
これらの勧告を通じて,産科領域に関係の深い妊娠糖尿病(gestational diabetes,GDM)に対しても考え方,判定基準を中心に新しい問題点が提起された形となっているのが現状である。今回は,これらの最近の動向について述べてみたい。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.