臨床医のプライマリ・ケア 婦人科疾患と新しい診療術
排卵のしくみと病態への対策
鈴木 秋悦
1
,
遠藤 芳広
1
Shuetu Suzuki
1
,
Yoshihiro Endo
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.595-599
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206665
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プライマリ・ケアの観点から排卵障害の病態をみて,その対策を立てることが目的であるが,排卵については,そのメカニズムにも多くの未解決の問題点が残されており,現在の治療法そのものも,必ずしも満足とはいい難いものがある。
しかし,最近,排卵現象の中でも,従来から一つの焦点とされてきた優位卵胞の選択機序についての内分泌学的研究が進展してきている。この点については,第38回アメリカ不妊学会総会(1982年3月,ラスベガス)で,NIHのG.D.Hodgenが"Dominant Ovarian Follicle"と題して特別講演を行なっているが,無排卵症の病態あるいは治療に伴う過剰排卵—多胎妊娠という重要な問題を解く鍵もそこに在り,今後,さらに詳細な研究が待たれる分野である。本稿では,排卵の成り立ちに関する最近の考えについて簡単に述べ,ついで,具体的な対応策に若干触れた。
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