教室だより
細胞機能解析コンピューター(2150—Ortho model)の臨床における工夫と実践
西谷 巌
1
,
布川 茂樹
1
,
井筒 俊彦
1
,
川村 圭一
1
,
善積 昇
1
Iwao Nishiya
1
1岩手医科大学産科婦人科学教室
pp.316-318
発行日 1982年4月10日
Published Date 1982/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206604
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
細胞および核内物質の螢光標識とレーザー発振による励起技術の目覚しい進歩によって,細胞自動解析分画システムが確立され,細胞生物学や実験腫瘍学などの基礎的研究ばかりでなく,臨床における診断や治療へも広く応用される可能性がえられている(表)。
Flow cytometry (FCM)あるいはFlow microfluoro—metry (FMF)といわれるこの方法は,米国政府の投入した巨費と二つの国立研究機関(Lawrence Livermore,Los Alamos)の頭脳によって開発された革命的な分析技術である。すなわち,高出力アルゴンイオンレーザーによって目的に応じて螢光標識した細胞の特定物質(核酸,蛋白,酵素など)を励起し,光検知器により螢光強度,螢光色調あるいは螢光偏光から電気信号に変換して情報化する。また,ヘリウムネオンガスレーザーと細胞体の衝突によって生ずる散乱光(Scatter light)を集束レンズを通過させて解析し,散乱様式から細胞の大小や形状を情報化して認識することができる。これらの情報は,いくつかの組み合わせとして選択し,オッシロスコープ上へ分布したヒストグラムおよびサイトグラムとして観察することができ,記録保存(写真撮影)することもできる。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.