臨床メモ
羊水中のphosphatidylglycerol測定による胎児肺成熟度の判定
貝原 学
1
1東京大学医学部付属病院分院産婦人科
pp.268
発行日 1982年3月10日
Published Date 1982/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206594
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胎児の肺の成熟度を判定する方法として,羊水のL/S比(レシチン/スフィンゴミエリン比)を測定する方法と,shake test (フォーム・テスト)が,現在最も頻繁に用いられている。しかし,これらの方法はいずれもfalse negativeと診断(実際には肺が成熟しているにもかかわらず,誤まって未成熟と判定してしまう)する率が高く,また糖尿病合併妊娠では,逆にfalse positiveに診断(実際には肺が未成熟であるにもかかわらず,誤って成熟と判定し,児にRDSが発生してしまう)する率が高いという欠点があった。
最近,羊水中のphosphatidylgly—cerolを測定する方法が,胎児の肺の成熟度をより正確に診断できるという成績が数多く報告されている。phosphatidylglycerol は成熟動物では,レシチンにつぐ主要な肺サーファクタントであり,酸性燐脂質である。
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