Modern Therapy Modern Therapyの反省
新生児におけるアルカリ療法の問題点
松村 忠樹
1
,
杉本 健郎
1
Tadaki Matsumura
1
,
Takeo Sugimoto
1
1関西医科大学小児科学教室
pp.885-888
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206534
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重炭酸ナトリウム(重曹)によるアルカリ療法は1958年の秋にUsherら1)によりはじめられ,1962年のHuchisonら2)による急速投与法を含めて1960年代の後半から1970年の前半にかけて新生児呼吸障害の治療法の主流となり,世界的に普及した。ところが,1972年の斉藤3),1974年のSim—monsら4)の報告により,アルカリ療法と頭蓋内出血(ICH)の関連性が問われるようになり,1970年代の後半は重曹によるアルカリ療法の反省期となった。われわれもこの問題について1976年より実験的研究を基礎として臨床的により安全なアルカリ療法について検討し報告5〜7)してきた。今回は,われわれの研究を中心に重曹によるアルカリ療法の副作用,および安全な使用方法などについて総括的に説明しておく。
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