薬の臨床
鎮痛効果と呼吸抑制作用の検討—婦人科手術後のbuprenorphine静注投与
西岡 克郎
1
,
天羽 敬祐
2
Katsuro Nishioka
1
,
Keisuke Amaha
2
1東北大学医学部附属病院中央手術部
2東北大学医学部麻酔学教室
pp.683-686
発行日 1981年9月10日
Published Date 1981/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206492
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婦人科領域の手術も,長時間手術,良好な筋弛緩,患者の精神的庇護および呼吸循環管理の点から,最近は気管内挿管による全身麻酔が広く行なわれるようになってきている。最近の全身麻酔は,酸素,笑気,ハロセン(GOF)のような吸入麻酔薬に筋弛緩薬を併用し,麻酔深度は比較的浅く維持し,術後はすみやかに覚醒させるのが一般的傾向である。しかしこの麻酔法では術後の残存鎮痛作用が弱いため,回復室で術後の全身状態を監視している間に患者は創痛を訴え出し,回復室での鎮痛薬投与をよぎなくされる場合も多い。著者らはこのような場合,少量の鎮痛薬を静注して疼痛を緩和させ,疼痛で修飾されていた全身状態をもう一度見直したうえで病棟に帰している1,2)。
今回われわれは新しい非麻薬性鎮痛薬であるbupre—norphineを婦人科手術直後に使用し,その鎮痛効果と呼吸抑制の程度について検討したので報告する。
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