原著
因子分析による定量的胎盤形態学と胎児予後
荻野 満春
1
,
箕浦 茂樹
1
,
水野 正彦
1
,
坂元 正一
1
Mitsuharu Ogino
1
1東京大学医学部産婦人科学教室
pp.669-675
発行日 1981年9月10日
Published Date 1981/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206490
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胎盤絨毛の組織構造変化のうち,とくにsyncytial knots,cytotrophoblast,vasculo-syncytial membrane,fibrinoid necrosis,stromal fibrosis,villous edema,Hofbauer cellならびにvascularityを選び出して光顕的に観察し,それらのおのおのの変化を一定の方式に従って数量化して,胎児予後との関連を推計学的に検討した。
対象とした症例は,d三常妊娠分娩12例および異常分娩48例(妊娠中毒症12例,糖尿病合併5例を含む)の合計60例で,観察した胎盤は,これらの症例において胎児娩出後直ちに踏帯を挾鉗して【血L流を止め,自然娩出したものを用いた。絨毛の観察のため,各胎盤の中心部の5ケ所から2.0×2.0cm角で厚さ約2.0〜3.0cmの組織片を採取し,hematoxylin−eosin(HE)ならびにpcriodicacid−schi仔(PAs)染色標本をf乍製した。そして各症例において約400個の終末絨毛について,上記の8項日の組織所見(paramctcr)を光顕的に観察した。観察結果は60症例すべてを一括してprogram package SPSS(statistical package for social science)の因子分析に供した。その結果,8頂日のparamcterは三つの独立したfactor(factor1,2,および3)に集約された。
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