Modern Therapy 産科におけるダイナミックテスト
妊婦の糖・インスリンダイナミックテスト
浜田 悌二
1
Teiji Hamada
1
1久留米大学医学部産婦人科学教室
pp.645-650
発行日 1981年9月10日
Published Date 1981/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206485
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物質代謝機構は生体の条件を一定にするために微妙な調節系が働いている。糖質代謝もその例にもれない。各組織へのグルコース供給は,糖質摂取後のfed stateから2時間を経ずに,たちまち代謝上の飢餓の状態(fasted state)へと移り,1日を単位としてもこれが何回かくり返されることになる。この間,fed stateにおいてはエネルギーの蓄積へ,そしてfasted stateでは浪費の抑制を目ざした調節機構が働くこととなる。妊娠という事態は母体調節機構での生成ホルモンの分解の場が増加することや,子宮内成分,すなわち,胎児—胎盤系新生による栄養供給対象の増加,そして最も重要因子として母体系ホルモンの増大,胎児—胎盤系によるホルモン産生系の新生など極めて複雑な調節系変動因子が作り出されることになる。
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