Modern Therapy 婦人科におけるダイナミックテスト
不妊症とダイナミックテスト
香山 浩二
1
Koji Koyama
1
1兵庫医科大学産婦人科学教室
pp.721-725
発行日 1981年10月10日
Published Date 1981/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206498
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統計的に既婚婦人の約15%が不妊で悩んでいるといわれており,挙児希望を訴えて婦人科外来を訪れる婦人は全婦人科外来患者の5〜10%を占めている。不妊原因を男女別に分けてみると,約2/3は女性側の原因で,約1/3が男性側の原因となり,いかに男性に原因した不妊因子の頻度が高いかも理解しておく必要がある。女性側の不妊因子では頸管因子が25〜30%,子宮因子が10〜15%。卵管因子が30〜35%,内分泌因子も含めた卵巣因子が30〜35%となっており,この中で重複した不妊因子を有するものは全体の1/3を占めている。また通常の臨床検査ではどうしても不妊原因のつかめない,いわゆる原因不明の機能性不妊症といわれるものの割合が全不妊患者の20〜30%とかなりの高率を占めており,現在多くの研究者によってその原因の追求が進められている。
本稿では,現在一般に臨床不妊検査として用いられている検査法について述べるとともに最近新たに開発されてきた免疫不妊因子についての検査法とin vitro受精実験系を用いて行なう精子の受精能検査法について解説する。
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