Modern Therapy 婦人科におけるダイナミックテスト
婦人科とダイナミックテスト
高木 繁夫
1
Shigeo Takagi
1
1日本大学医学部産婦人科学教室
pp.705-708
発行日 1981年10月10日
Published Date 1981/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206494
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
一般に臨床的に用いる検査法の大部分は,化学分析を中心としたいわばstatisticでone point assay的な「もの」の同定あるいは測定と,形態的な「かたち」を観察して判定する方法のどちらかである。しかし種々の生命現象や疾患あるいは臓器組織の異常の程度を知って診断するためには,細胞や臓器の「はたらき」あるいは臓器組織間情報その他を動力学的に計測することが必要となる場合がある。そのため臓器や組織機能を計測するため,たとえば生体あるいは臓器に,ある種の刺激や抑制などのゆさぶりを加え,適当な変換系や媒介体を介して,臓器,組織における反応状況を観察する「はたらき」あるいは機能状況を判定する方法がある。すなわちダイナミックテストとはこうした概念から生まれた生体観察あるいは生体機能やその態様の観察法であり,それを重点的に知るための臓器組織細胞の臨床的な検査法の一つである。したがってダイナミックテストはいずれの診療科目においても必要に応じて行なわれており,またその目的・方法によっても異なり,その種類も少なくない。ここでは婦人科領域のそれに限って原理的に解説し,それの個々の問題点あるいは詳細については省略する。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.