Modern Therapy 婦人科におけるダイナミックテスト
手術とダイナミックテスト
品川 信良
1
Shinryo Shinagawa
1
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
pp.726-730
発行日 1981年10月10日
Published Date 1981/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206499
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どんな自然現象でも,同じ状態にとどまるということは決してあり得ない。特に生命現象においてはこのことが強くいえる。しかし,私たちが認識できるのはある時点(Zeitpunkt)での断片的な状態についてだけである。このため私たちは「ある時点の現象から将来を推定するのにはどうしたらよいか」ということでは,昔からいろいろと知恵をしぼり,苦労もしてきた。そして,ものごとを固定した状態としてではなく,「時々刻々移りかわる流れとしてとらえたい」「生体の機能を静的(static)にではなく,できることなら動的(dy—namic)にとらえたい」と,誰しもが願ってきた。特にこの先手術や分娩を控えているというようなときには,患者には果たしてそれに耐えるだけの予備能力が備わっているかどうかということが,大きな関心の対象になってきた。
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