海外から
アメリカの分子生物学とオマリー・グループの現況(その2)—mRNA processing, Post-translational processing, Cell Hybridization
田中 芳雄
1
Yoshio Tanaka
1
1Department of Cell Biology Baylar College of Medicine
pp.291-296
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206419
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Ⅰ.mRNA processing
第三のサブグループではDr.M.Tsaiらを中心にmRNA processingの研究が行なわれている。
DNAから最初にtranscription (転写)されたmRNAは成熟し完成したmRNAよりも10〜50倍以上の大分子のHnRNA (Heterogenous nu—clear RNA)として合成される。そして大分子のHnRNAがPre-mRNAを経過して成熟したmRNAに完成する過程をmRNA processingと呼び,第一にIntervening sequence (介在遺伝子RNA配列)のsplicing (切断)。第二にmRNA 5'端のcapping (cap structure)。第三にmRNA3'端のpoly A付着の三つの主要な過程によって構成されている。始めにmRNA processingの最も重要なステップであるIntervening sequenceのsplicingについては,DNAのレベルで特異的蛋白がコードされているstructure gene (構造遺伝子)は非連続に配列され,その間にIntervening gene(介在遺伝子)というtranscriptionがなされるが,translationされないgeneが介在していることが最近の研究でわかってきている。
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