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Rapid tissue processing system(RTPS)―概略と実際の運用
原 重雄
1
,
松下 央
1
1虎の門病院病理部
pp.1337-1338
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101636
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はじめに
現在,組織検体の標本作製はホルマリン固定の後にパラフィン包埋を行う方法が汎用されている.現行の方法ではホルマリン固定とパラフィン浸透にそれぞれ半日を要するため,病理最終報告に最短でも2日かかってしまう大きな要因となっている.今後,移植医療におけるウイルス感染症の有無や拒絶反応の診断など,より迅速な病理診断を必要とする場面が増加すると思われる.また,ホルマリン固定法では遺伝子検査に十分な対応ができないなど,現行の標本作製方法の下では臨床の要求に応えられない.これらの要求に対応可能な技術の開発は急務であり,rapid tissue processing system(RTPS)はそれを実現可能にする新しい病理検体処理技術の1つである1).
本稿ではRTPSの概略と実際の運用について述べる.
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