FETAL MONITORING講座 基礎から臨床応用へ
Ⅴ.pH monitoring
貝原 学
1
Manabu Kaibara
1
1東京大学医学部分院産婦人科
pp.203-207
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206405
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水素イオン濃度は細胞の代謝,特に酵素反応を規制する重要な因子である。水素イオン濃度は一般に水素イオン濃度mol/lの逆数の対数,すなわちpHで表わされている(pH=log(1/〔H+〕))。近年,産科領域では分娩中の胎児の末梢血pHを測定することによって胎児の呼吸循環状態の異常を知り,胎児仮死(fetal distress)を診断することが可能となり,一般に普及されるようになった。胎児血液のpH測定の臨床的意義を理解するためには,胎児ではどのようにpHが調節されており,pHの異常はどのようにして発生するかを知らなければならない。本稿ではこれらの点について解説するとともに,pH測定上の問題点,pH異常をきたした症例に対する処置法についても触れてみたいと思う。
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