指標
卵胞の発育,ステロイド産生における顆粒膜,莢膜細胞群の機能的相関
赤堀 泰一郎
1
,
片山 和明
1
,
東條 伸平
1
Taiichiro Akahori
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.577-588
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206288
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卵胞壁を構成する顆粒膜細胞,莢膜細胞は増殖することにより卵胞発育に寄与するが,卵胞発育に伴い分化し,そのある段階よりステロイド産生に関与し,最終的にはルテイン細胞にまで分化をとげ,活発なステロイド産生を営むようになる。一方,こういった顆粒膜,莢膜細胞群の増殖,分化に下垂体ゴナドトロピンあるいは卵巣の性ステロイドが重要な役割をはたしていることは明らかな事実であり,この分野の研究を一層興味深いものにしている。したがって,細胞の増殖,分化の特質を知るうえでも顆粒膜,莢膜細胞群はきわめて有用な細胞種と考えられ,本稿では,これらの二種の細胞の増殖,分化を軸に,形態学的変化と機能的変化の両面より,著者らのデータを混えながら文献的考察を加える。
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