Modern Therapy リプロダクション・エイジ--その発来と晩期をめぐって
総論:Chronological gynecology
坂元 正一
1
Shoichi Sakamoto
1
1東大産科婦人科学教室
pp.589-591
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206289
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医学の進歩はデーターの洪水という結果を生み,1個の生物としての人間を把握することをますます困難にし,機能別,臓器別,疾患別,年齢別etc etc.と立体的なマトリックスの小立体の取り扱いにさえ窮々としているのが現状である。われわれの領域も女性,性器別と臓器的にまとめられていて,ごく最近までparturitionを中心にした産科をのけたものが婦人科学として一括されていたにすぎない。
内分泌学が抬頭したといっても過去においてはもっぱら性成熟期(妊孕力が主体と考えられ,re—productionを営む年齢期間すなわちreproductiveage)での問題が中心で,未熟な時期から成熟期に移行する思春期と,老年期に移ろいゆく更年の時期の機能の乱れが問題にされているにすぎなかった。
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