Modern Therapy 炎症治療--感染症を中心に
新生児感染症の治療
佐藤 郁夫
1
Ikuo Sato
1
1自治医科大学産科婦人科学教室
pp.547-551
発行日 1980年7月10日
Published Date 1980/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206282
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新生児は細菌感染に対して極めて抵抗力が弱いということは周知の事実であるが,抗生物質の目覚しい発達にともない,新生児感染症は減少の傾向がみられる。しかし,依然として新生児死亡率,罹病率の中で感染症の占める割合は少なくない。
すなわち,新生児は一たん発病すると,成人のように感染を局所化することができずに,その多くが敗血症や髄膜炎などの全身型の病型をとる。また,感染免疫の面からみても,新生児が感染を受けやすいのは事実である。成人にとっては無害であるものも,新生児や未熟児においては,いかなる種類の細菌でも疾病の原因となり,たとえば,一般に大腸菌は病原性大腸菌でなければ成人に対しては病原性はないが,新生児では容易に疾病の原因となるものである。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.