Modern Therapy 炎症治療--感染症を中心に
周産期感染の治療
青河 寛次
1,2
Kanji Seiga
1,2
1社会保険神戸中央病院産婦人科
2近畿母児感染症センター
pp.539-546
発行日 1980年7月10日
Published Date 1980/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206281
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
化学療法を中心とした胎内感染ないし周産期感染の管理は,産科医が日常膚接しているものであり,同時に産褥熱の激減した今日なお,いくつかのむずかしい課題をはらんでいる。これは,胎内感染が単に細菌感染にとどまらず,ウイルスによるものとか,感染胎児・胎盤の代謝活性の把握が容易でない,などのためであろう。
そこで,本稿では,細菌を主とした周産期感染治療の考え方の基盤となるいくつかのことがらについて述べることとした。たとえば,抗生物質を選択投与するさい,盲目投与におわってしまうか,単に抗菌スペクトルの広さだけでなく,羊水感染分離菌の現況や,薬剤の母児間移行の特徴を知っておれば,さらに有利であろうし,また,発育過程における胎児・新生児の生体防衛力や,DICによる産科出血などは周産期感染に関係の深い興味あるテーマであろう。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.