FIGO TOPICS 私が感銘を受けた講演
疾病観念や分類基準の相違/体外受精—驚異的な培養成績
杉森 甫
1
1佐賀医科大学産科婦人科学教室
pp.958
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206161
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■Gynecologic Malignancy
第9回FIGO総会は10月25日の開会式で始まったが,前日に行なわれた教育講演会が事実上の幕開けであったように感じられる。これは4つの部屋で同時に進行が行なわれたため,全部を聴くのが不可能であったことがまことに残念であって,どれも聴いてみたい演題が目白押しであった。中でも午前中に行なわれたparade of pioneersのセツションではCaldeyro-Barcia,Bergstrom,Schally,Wiedといった第一人者が次々と登場して,その業績を平易に解説し,将来の展望を語った。その内容はあまりにも有名であるから新しい知見という訳ではないが,やはりその道の開拓者に直接肌を接して聴く講演は印象深いものがあった。座長の小林隆先生がいわれたように「Investigation Activity Releasing Hormoneを注入されたような感じがした」のである。
大会第1日冒頭のRyan教授による卵巣機能に関する特別講演にも深い感銘を覚えた。内分泌学は私にとっては専門外であるので,卵巣機能というとすぐ卵巣全体として捉えがちであったが,教授の詳細な研究はさらに卵巣を構成する各細胞におけるHormone産生機能にまで及び,アイデアの豊かさとそれを支える研究技術に今さらながら驚嘆の念を禁じえない。
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