FIGO TOPICS 私が感銘を受けた講演
フィルムによる手術発表の効果/周産期医学の進歩
西谷 巌
1
1北海道大学医学部産婦人科学
pp.957
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206160
- 有料閲覧
- 文献概要
■Surgery (Cancer)
FIGO (産婦人科連合世界大会)は,内外から6,000名におよぶ参加をえて,世界最大級の学会となったが,7日間にわたって12会場で行なわれたため,この全貌を詳細に把握するのはとうてい困難であろう。比較的少数の参加者にとどまった会場もあったが,一方では満員盛況のセッションもあった。フィルムセッションは,ひときわ好評を博したものの一つで,400席の会場は,終始立錐の余地もなかった。なかでも,手術関係フィルムの発表と討論は,一段と盛況であったので,2,3の印象について述べたいと思う。国際学会では,多かれ少なかれ,ことばが障害となるので動く場面や刻々変わる操作を目でみることは,最も大きな理解となる。さらに,わが国のフィルムやビデオの技術は,世界でも高い水準に位置しているので,とくに大きな期待がよせられたのかも知れない。
さて,手術に関するフィルムでは,人工造腟術3題,卵巣楔状切開術1題,腹式腟式子宮摘除術5題,および癌の手術に関しては,子宮拡大単純全摘術1題,準広汎全摘術2題,広汎全摘術6題などからなっていたが,放射線療法が目覚しく進歩した現在といえども,癌に対する手術療法の価値がいささかも低下していないという印象をうけた。
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.