今月の主題 DICとその周辺
DICのみられる内科疾患
肝・胆道疾患
山本 祐夫
1
,
𠮷村 良之介
1
1阪市大第3内科
pp.828-830
発行日 1977年6月10日
Published Date 1977/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207232
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はじめに
DICは,なんらかの病的状態下で"ひき金因子"が加わり,凝固系が活性化されて生ずる一連の生体反応であるが,この時,肝で産生されるantithrombinによるthrombinの中和,肝およびRESなどでの凝固活性物質の処理などが抑制作用として働く.
凝固因子の産生低下もきたす重篤な肝障害時にDICが誘発されうる病態は,一見不思議とも思われるが,血中の凝固因子活性が低下することと血液凝固が活性化されることとは別問題であり,最近では,肝疾患に合併したDIC症例が多数報告されている.
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