今月の主題 出血傾向の新知識
出血傾向のみられる諸疾患
肝・胆道疾患
山本 祐夫
1
,
吉村 良之介
1
1阪市大第3内科
pp.938-939
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206042
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血清アルブミンが肝臓で生成されるように,凝血因子の大部分は肝で作られる.
ビタミンKの作用により肝で作られる凝血因子は,プロトロンビン,第VII,第IX,第Xである.後述のように閉塞性黄疸ではビタミンKの消化管よりの吸収阻害が起こり,次いで肝における上記のビタミンK依存の凝血因子の生成が低下し出血傾向が出現してくる.肝ではそのほか,フィブリノーゲン,第V,第XI,第XII,第XIIIの凝血因子が生成されているといわれている.すなわち,肝は第VIII因子を除いた主要な凝血因子の生産の場である.
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