カラーグラフ 微細血管構築とコルポスコピー・8
初期浸潤癌
奥田 博之
1
1岡山大学医学部産科婦人科
pp.1465-1467
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902317
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癌細胞の間質への浸潤が始まると,上皮内癌で保たれてきたこれまでの血管構築に破壊像が認められるようになる.すなわち,癌細胞の間質への浸潤とともに基底膜直下の毛細血管網が破壊され,毛細血管網を基盤としてより上皮側に構築を保持してきたPunctation や Mosaicは,さらに大きな破壊的変化を生じる.その結果,乏血管領域の出現,これを補う形としての最表層横走血管の出現を見るようになる(異型血管域AtypicalVessens, aV.の出現).
図1〜3にPunctationの部位における血管構築上の変化を示した.毛細血管網の破壊が認められ,突出血管間距離は著しく増大し,個々の血管集塊の大小不同性の増加,突出方向の乱れ,さらには最表層部の横走血管の出現と共に個々の血管の著しい怒張が見られる.コルポスコープ下には各赤点斑の大小不同性や配列不整が著しく,赤点斑を構成している集塊血管の1本1本の走行が識別しやすくなっている.また,赤点斑から乏血管領域に向け表層部を横走あるいは蛇行する血管が観察されている(図4).
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