指標
レセプター病—睾丸女性化症候群と"Gonadotropin-Resistant Ovary"Syndromeをめぐって
仲野 良介
1
Ryosuke Nakano
1
1和歌山医大産科婦人科学教室
pp.395-398
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205839
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従来の臨床内分泌学は主として体液中のホルモンレベルを測定することにより,内分泌疾患の診断と治療に資することを目的として進歩,発展してきた。古くは尿中ホルモンのパイオアッセイ,ケミカル・アッセイが,また近年においては血中ホルモンのラジオイムノアッセイがホルモン測定手技の中心となってきた。このように内分泌学の関心の中心は内分泌器官から分泌される体液中のホルモン・レベルにあったわけであるが,最近になってホルモンの分泌には異常はないが,その作用機構の異常によってある種の内分泌疾患の生ずることが注目されるようになってきた。すなわち,ホルモン不応症,レセプター異常症,レセプター病などと呼ばれるものであるが,その定義あるいは疾患概念はいまだ明確にされていない(図1)。
本稿では,レセプター病の概念を提示したうえで,特に産科婦人科領域に関係の深いものとして睾丸女性化症候群と"gonadotropin-resistant ovary"syndromeについて概説を試みたい。
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