新しい視点をさぐる 薬物療法のBlind Spots
新生児仮死における薬物療法
荒木 勤
1
Tsutomu Araki
1
1日本医科大学第2病院産婦人科学教室
pp.360-362
発行日 1978年5月10日
Published Date 1978/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205832
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娩出児における子宮外での生活の第一歩は,外界の酸素を自力で肺から体内に取り入れることからはじまる。いま,新生児が種々の要因で仮死を伴なって娩出されてきたものであれば,程度の差はあるものの低酸素症に陥入っていることは否定できない。
したがって,新生児仮死の治療の主眼は酸素療法を中心とした蘇生術に置かねばならない。しかし,仮死の程度によっては,単に皮膚刺激や喉咽頭の刺激のみでよい場合(Apgar 7〜5点),酸素と酸塩基平衡の矯正を必要とする場合(Apgar 4〜3点),さらに加えて抗ショック療法に対する薬物を用いた強力な治療を施さねばならない場合(Apgar 2〜0点)がでてくる。
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