臨床メモ
喫煙と医師
竹内 久彌
1
1順天堂大学医学部産婦人科学
pp.139
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205781
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マスコミを通して,最近喫煙の害が盛んに論じられている。妊婦の喫煙が胎児に及ぼす影響についてはこの欄でも紹介したことがあるが(27巻336頁),喫煙婦人の児は生下時体重の小さいことや周産期死亡率の高いことにとどまらず,7歳児の追跡調査でも肉体的発育のみならず,知能発達でも遅延していることが報告されている。(Buter and Goldstein,1973)。
ところが今回紹介するのはこのような患者の側での話ではなく,われわれ医師自身の喫煙に関する調査の興味ある分析結果である。英国のDollとPeto (Brit,Med.J.1(1):433,1977)は専門を異にする多数の医師を対象として20年間の調査を行なったという。すなわち,1951年に35歳以上の医師20,540人から喫煙についてのアンケート回答を集めたが,15年後の1966年に再度アンケートを取り,20年後の1971年にそれまでの死亡率をしらべたのである。
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