症例
双角子宮に多嚢胞性卵巣を伴った不妊症患者の1例
田中 俊誠
1
,
椎名 美博
1
,
鈴木 正篤
1
,
沓沢 武
1
,
藤本 征一郎
1
Toshinobu Tanaka
1
1北海道大学医学部産婦人科学教室
pp.665-668
発行日 1976年8月10日
Published Date 1976/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205463
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一子を得た後のsterility,infertilityをよく経験する。この場合,一度妊娠が成立していることから男性側因子の障害は考えず,分娩後なんらかの原因による卵管の閉塞,子宮腔内の癒着等の器質的障害と,妊娠,分娩,産褥,さらに授乳という一連の苛酷なホルモン環境から速やかに回復できないことが原因すると考えられる内分泌障害が大きな要因であろう。
今回,われわれが経験した症例は,双角子宮に多嚢胞性卵巣を伴った難治性の不妊症であったが,幸運にも楔状切除後のClomid投与により妊娠し,生児を得た。babyを得るまでの診断法および治療法が読者の参考となれば幸いである。
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