疾患の病態と治療 日常診療の再検討
感染,炎症と抗生剤の使い方
鳥越 正
1
Tadashi Torigoe
1
1山口大学医学部産科婦人科学教室
pp.395-399
発行日 1977年5月10日
Published Date 1977/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205612
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近年多くの抗生剤が開発,提供されているが,その選択や使用法が実地面で適切に行なわれているか否かを考えると,多くの問題点をはらんだ現状といえよう。従来の水準以上の新抗生剤が出現すると,その特徴や副作用などについて十分な知識を得るのは,実際になかなか容易なことではない。しかも感染症の治療はいつでも手元にある抗生剤を用いればことたりるものではなく,病態に応じ起炎菌の感受性テストの成績に基づいて,薬剤の選択を誤らないように配慮することが肝要である。治療に際し,薬剤の抗菌性,吸収態度や従来の評価,入手の難易などの諸因子を考慮するのはもちろんのことであるが,もっとも注意すべきポイントは副作用であろう。この観点から,抗生剤(抗真菌剤を除く)使用時の一般的注意事項と副作用,妊婦の感染症などにしぼって,解説してみたい。
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